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■シャッフル論■


●前書き

 カードゲームにおいて、頻繁に行われる動作の一つがカードを切る(シャッフル)する事。山札をシャッフルする事により、どのカードがいつ来るかが分からなくなるという乱数が発生するので、毎回違った展開になるのです。その要素が、カードゲームをより面白いものにしているのです。
 ただ、人為的にシャッフル(ランダムに)するので、カードが偏ってしまう(事故が起きる)事もしばしばあります。そもそも、シャッフルというものは完全なランダムという訳でなく、確率などの数学的な要素もある程度含まれてきます。絶対に事故を回避する事は出来ないが、数学的な要素等からある程度事故を回避する手段はあるはず・・・。
 という訳で、今回はシャッフルについてのお話です。
 

●シャッフルの方法

 この話を始める前に、まず、シャッフルの種類の説明をしておかないと・・・。
 ご存知の通り、シャッフルの方法というのはいくつか存在します。その中でも、よく使われているシャッフル方法について簡単に説明を。


・ヒンズーシャッフル (Hindu Shuffle)

 日本人にとって、最も一般的なシャッフル法。
 片手でカードを持って、もう片方の手で山の下からカードを持ってきて上に乗せる、ただこれだけ。
 欠点は、まったくカードが偏る訳ではないが、どうしてもカードが偏ってしまう事。
 なので、この切り方だけでは不十分です。大抵の人は、下の方法と併用してシャッフルしています。


・リフルシャッフル (Riffle Shuffle)

 マジシャンがやっている切り方。
 カードの山を半分に分けて持ち、持っている山のカードが交互になるように、指を使ってバラバラと一つにする方法。
 それなりによく切れるのですが、リフルシャッフルをする時にカードを曲げるのでカードが傷んでしまうのが難点。
 他人のカードに対してリフルシャッフルを行うのはやめましょう。
 ちなみに、リフルシャッフルを練習するなら、100均のプラスチックトランプを使うといいでしょう。100均のトランプなので、練習中に壊しても問題ないので。


・ショットガンシャッフル (Shotgun Shuffle)

 よく、n枚切り(n:自然数)とか言われている切り方。
 普通にカードを分ける要領で、カードをn個の山に分けてそれを適当な順番で一つの山に戻すという方法。
 切るのに時間がかかってしまうのが難点ですが、TCGの世界では、一般的な切り方のようです。
 これについては、詳しく後述します。


・カット (cut)

 山札を適当な場所で幾つかに分けて、分けた山の順番を適当に変えて一つの山に戻すという方法。
 これはよく切る為ではなく、相手がいかさまをしないようにお互いに切る時によく用いられます。


他にも、カードを横から適当な位置に挟んで切る等ありますが、ここでは割愛します。
 

●リフルシャッフルについて

 それなりに、カードが偏らない切り方です。どこかのTCGでは、リフルシャッフルを3回以上行わなければならない規定もあったそうです。
 しかし、一つだけ注意しておくと、完全なリフルシャッフルを何回か行うとカードの配列がもとに戻ります。とは言え、山札が60枚の場合は58回、30枚の場合でも28回行わなければ元には戻らないので、あまり気にしなくていいでしょう(余談ですが、トランプ(52枚)の場合は8回行うともとに戻ります)
 それと、完全なリフルシャッフルは、2枚切りを行うのと同じ事です(ただし、カードの順番は逆になりますが)
 

●ショットガンシャッフルのお話

 で、今回の話のメインがショットガンシャッフルです。
 ショットガンシャッフルは、カードを配る要領で切るのでそれなりにカードは偏りません。が、切る数によっては、逆に全く切れていないという事もあります。
 
(1) まずは実例を・・・
 順番に並べた(自分でわかる順番ならなんでも良い)60枚のカードを用意します。その60枚の山をまず10枚切りします。出来た10個の山の中で、一番最後に出来た山を上にして9番目→8番目→7番目・・・というように集めて一つの山にします。そして、集めた山に今度は6枚切りをします。同様に、出来た6個の山の中で、一番最後に出来た山を上にして5番目→4番目・・・と集めていきます。さて、集めた山の順番はどうなっているのでしょうか?
 同じように、今度は60枚の山を8枚切りします。同様の方法で一つの山に集め、今度は7枚切りをしてみます。集めた山の順番はどうなっているでしょうか?
 ・・・やってみると判ると思いますが、切ったはずなのにカードが並んでいると思います(8枚切り→7枚切りは完全に並びませんが)
 
(2) 原因
 これにはある法則があって、(山札の総数÷1回目のシャッフル時の山の数)の値でショットガンシャッフルをすると、並びが戻ってしまうのです。知っている人は知ってますね、当たり前なのかもしれませんが。
 上の例で言うと、60÷10=6と見事に引っかかっています。また、60÷8=7…4、ときれいに割り切れず余りが出ると思いますが、余りは切り捨てて考えると(この場合:7枚切り)、多少の並び上のずれは起こりますが、カードが偏るのです。

 何でと言われれば、図を見るのが一番判りやすいと思います。判りやすいように、トップカードから順に1,2,3…58,59,60とカードに番号をつけておきます。まず、10枚切りを行うと各山のカードの配列は、表1のようになります。これを10番の山から順に一つの山にすると、表2のような順番に並びます。その後、禁断の6枚を行うと表3のようになります。・・・もうお分かりですね。最初の10枚切りの時の山がまったく崩れていないのです。だから、この配列を16番の山から戻すと山の並びが元に戻るのです。これを11番の山から戻そうが、並ぶ向きが逆になるだけで、結局元の並びとなってしまうのです。
 
(3) 対策
  カードを並べておくことなんて無いから、この考えは意味が無いと思う人がいるかもしれませんが、本当にカードを順番に並べてから対戦をする事がまったくないと思いますか?
例えば、公式大会でデッキチェックをする時、デッキのカードはどうしていますか。・・・当然並べますよね。また、1試合でデッキの殆どを使い果たしたとき、トラッシュのカードにはトレーナーカードが沢山ありませんか。これは、カードが偏っていると言いませんか。
 そういう時に、無意識に何も考えずショットガンシャッフルをしてしまうと痛い目に合うのです。だって、このシャッフルでは数字によって不十分な時があるから。

 だから、その対策というものは非常に単純、この法則に当てはまらない数字でショットガンシャッフルをすればいいだけの事です。この法則を考えてから、大抵俺は、10枚切り→7枚切りをするようにしています。これだと、60÷10=6≠7、と上記の法則には引っかかりません。これに+アルファで押し込みシャッフルやヒンズーシャッフルを数回やれば、それなりに切れます。もちろん、それでも事故になる事だってあるし、最善の方法とは言い切れないけど、事故から身を守る為の自己防衛策ではあります。
 
(4) リバースシャッフル
 しかし、残念ながら、上の法則を利用してこのシャッフルは悪用される事もあります。その方法は、リバースシャッフルと呼ばれています。もともと、リバースシャッフルというものは、相手が積み込みをしてきた時の対抗策として使われてきたものです。

 例えば、60枚デッキでドローカードがデッキに15枚入っている場合、相手がドローカード1枚と他のカード3枚を交互に積み込んで来るとします。こういった積み込みの場合、カットやヒンズーシャッフルでは崩すことがほぼ不可能です。ところが、ここで4枚切りを行うと、逆にドローカードが固まってしまい、相手は逆に事故ってしまいます。このように、積み込みを無効化し、逆効果を与えるシャッフルをリバースシャッフルと言います。
 目の前で積み込みをやられたら、是非ともリバースシャッフルをやって頂きたい。そうすることによって、積み込みをする奴がいなくなるので。

 閑話休題。

 で、問題のリバースシャッフルです。これは、例えば相手が10枚切りを行った場合、上の法則に照らし合わせてショットガンシャッフル(この場合、60÷10=6:6枚切り)を行って相手に返すのです。これによって、デッキの並びがシャッフルする前の状態になってしまうのです。普通の場合なら問題ないですが、例えば、対戦し終わった後に続けて対戦する場合、リバースシャッフルを行われるとどうなるでしょうか。・・・トラッシュに落としたドロー系カードや、エネルギーカード、ポケモン等が極端に偏ってしまうのです。
 この事を知っている人で無い限り、リバースシャッフルを行われると、なんで事故が起きたのだろうと思ってしまいます。はたから見れば、しっかりシャッフルしているように見えるので、当然被害者も操作されていた事には気付きません。もちろん、完全にうまくいくわけではないけれど、こんな事をやられて事故を起して負けてしまうと腹が立ちません?

 ・・・だったら、リバースシャッフル出来ないように、上のように2回ショットガンシャッフルすればいいじゃん、と思うかもしれません。・・・けど、そんなに思うようにはいきません。
 例えば、春道みたいに連勝中は連続して試合が出来るとします。前の試合は終わりましたが、すぐに相手が入れ替わって次の試合になります。あなたは自分のデッキをショットガンシャッフルで切っていますが、相手はすでにデッキを切り終わっていて、あなたの切り終わりを待っています。この状況下で、あなたはもう1回ショットガンシャッフルが出来ますか?
 この答えは大抵の人がNOでしょう。相手を待たせているという精神的プレッシャーが重く圧し掛かってくると思います。大抵の人は待たせないようにシャッフルを速くするでしょう。まあ、この辺の事は心理学のお話になるので詳しく知りませんが。
 別の例で言えば、お互いにショットガンシャッフルをしています。相手の方が先にショットガンシャッフルが終了して切り終わり、あなたのシャッフルの終了を待っています。この状況下で、あなたは2回目のショットガンシャッフルをノコノコと行うことが出来ますか?
 これも答えはNOの人が多いですよね。

 とにかく、リバースシャッフルには引っかからないようにして注意して下さい。ただ、大抵相手のデッキを切る時は、カットかヒンズーシャッフルくらいしか行わないので、ショットガンシャッフルをして来たら、こいつ怪しいぞと思っていた方がいいのかもしれません。

 ここにリバースシャッフルを掲載したのは、悪用する為ではなく、手口を知ることで相手がそれを使ってきた時に打破し、また、その行為に引っかからないように自己防衛する為です。
 だから、この文章を見て悪用しようなんて考えるな! 俺だって、この文章を完成させるのに3ヶ月近く費やしているのだから、文章作成の苦労をあだで返すような行為だけはやめて欲しい。また、難しいかもしれませんが悪用している奴を見つけたら注意して欲しい。
 

●結論として・・・

 結局、ショットガンシャッフルだけでは完全に切れている訳ではないし、操作される事もあるので2種類以上のシャッフルを組み合わせる事を推奨します。
 やり方としていくつかありますが、個人的には、上にも書いているように「押し込みシャッフル」を推奨します。まあ、説明するまでもないですが、カードの山を半分にして持ち、片方の山に横から入れる、ただそれだけです。リフルシャッフルに似てますが、完全に交互に入っている訳ではないし、カードの順番が逆にならないし。それに、短い時間でできるのも大きな利点です。
 他にも、山の数を増やしていくシャッフルとか、山を半分に分けてそれぞれでヒンズーシャッフルをするとか、いろいろと方法はあります。上手くなれば、どの位シャッフルすればカードが偏らずにデッキにバラけるか感覚的に判るそうですよ(俺はまだその域には達していませんが)

 また、シャッフルというのは、対戦での一つの大きな武器なのです。ジュニアの子とかを見ると、強いといわれている子はシャッフルが物凄く上手いです。シャッフルの手つきとかが他の子と全然違います。シャッフル上手いと強そうに見えたりしますからね(w
 シャッフルは経験がものを言います。シャッフルの技量=実力と言っても過言ではないのです。いかに多く対戦して経験を積むことで、戦術面や構築面だけでなく、シャッフルの技術面も磨かれて進歩していくのです。
 

●シャッフルはマナーである

 シャッフルというものは、どのカードが来るか判らなくする事だけの意味合いで使われている訳ではありません。カードゲームをする上での、マナーという要素も含まれていると思います。相手のデッキを切る前に勝手に対戦準備してしまっている奴がいるという事は、方々でよく耳にします。でも、そうやって始められると、それをやられた方にとっては「積み込んでるのではないか」等の疑いをどうしても持ってしまいます。・・・それじゃあ、気持ちよく対戦出来るわけがありません。
 身内同士の対戦とかならまだしも、見ず知らずの人が相手ならそういう事にも気を配るべきではないかと思います。たかが遊びだからと言うかもしれませんが、お互いに気持ちよく対戦する為の一般的なマナーとして、心に留めて欲しい限りです・・・。
 


シャッフル論に関しては、現在も研究中です。
また、新しい法則や方法が見つかれば今後も掲載予定です。
 


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